北上・西和賀

里親制度 実情知って 普及啓発へパネル展 hoKko【北上】

北上市保健・子育て支援複合施設「hoKko」2階ロビーで開かれている「里親制度パネル展示会」

 「里親制度パネル展示会―知ってほしい、里親のこと―」は、北上市新穀町のツインモールプラザ西館にある市保健・子育て支援複合施設「hoKko(ほっこ)」2階ロビーで開かれている。7月8日まで。

 里親制度は、さまざまな事情で家庭で暮らせない子供を、自分の家庭に迎え入れて養育するもの。県内では0歳児から18歳までの要保護児童が約400人おり、うち約300人は乳児院や児童養護施設で集団生活を送り、約100人が里親家庭で暮らしている。

 パネル展は里親制度の普及啓発などを目的に、県福祉総合相談センターが主催。制度の概要や県内の実情をグラフやマップで分かりやすく紹介しているほか、里親と要保護の子供が出会うまでのストーリーを描いたイラストなどを展示している。

 里親には、子供が18歳になるまで育てる「養育里親」、養子縁組することを前提に養育する「養子縁組里親」などがある。養育する期間は数カ月から数年までさまざまで、養育費として医療費や教育費などが支給される。里親になるには特別な資格は必要ないが、講義や実習などの研修、申請、調査などを経て登録となる。

 同センターの野村絵里奈さんは「東日本大震災では親族里親が増えたが、まだまだ里親を必要としている子供たちは多い。まずは多くの方に里親制度について知ってもらいたい」と話している。問い合わせは同センター=019(629)9608=まで。

「何気ない日々が大切」 北上市の小田嶋文子さん

 「素晴らしいことをしていますねと言われますが、慈善運動をしているつもりは全くありません。自分が子供を育てたい、家庭に子供がいればいいなと思っただけなんです」と語るのは、1999年に里親となった北上市の小田嶋文子さん。「登録前に子供と外食する機会がありましたが、『これが食べたい』と自分で決められないんです。それまで、出された物を食べるだけだったんでしょうね。お父さんが仕事に出掛け、お母さんが保育園に送ってくれて、家に帰ったら家族がいる。日々の何気ないことが子供にとってはとても大切なこと。家庭の温かさを体験してもらうことが里親の役割なので、特別なことではありません。ぜひ多くの方に理解していただき、登録される方が増えていってほしい」と話している。

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