一関・平泉

先人の理念次代へ 中尊寺から平和の祈り 平泉世界遺産登録10年

中尊寺本堂で法要を営み、世界平和と新型コロナ収束を祈念した「平和の祈り」

 「平泉の文化遺産」は29日、国連文化科学教育機関(ユネスコ)の世界文化遺産に登録されて10年を迎えた。平泉町の中尊寺では「平和の祈り」が行われ、町内の僧侶、住民ら約60人が参列し、奥州藤原氏が希求した世界平和と東日本大震災からの復興、新型コロナウイルス収束を祈願した。【社会面に関連】

 平和の祈りは2014年に県条例で制定された「平泉世界遺産の日」を記念して15年に始まり、同町が主催、町内8寺院が共催。昨年は新型コロナの影響で中止され、2年ぶりに行われた。

 中尊寺金色堂前広場で予定されていたが、雨のため同寺本堂で実施。法要では奥山元照貫首が導師を務め、8寺院から8人の僧侶が出仕し、世界平和、震災復興、新型コロナ早期収束を祈念した。

 参列者に謝辞を述べた青木幸保町長は「平泉を築き上げた先人の理念を広く発信するとともに人類共通の遺産として将来に伝えていくのが責務。東北の復興、新型コロナの一刻も早い収束を願うばかり。世界遺産登録の意義を次世代に継承し、拡張登録に取り組んでいく」と語った。

 奥山貫首は「世界遺産に登録されて10年、その前の10年を振り返り、多くの方々への感謝の気持ちを表すとともに、これからの10年、20年に世界にどうアピールするのかという志を持って新たな一歩を進んでいただきたい」と呼び掛けた。

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