奥州・金ケ崎

明暗の技 文士劇支え 浅沼さん(盛岡)奨励賞 日本照明家協会賞【奥州】

日本照明家協会賞舞台部門奨励賞を受け、奥州市民☆文士劇実行委員会に受賞を報告する浅沼さん(左から3人目)

 2020年2月に上演された第12回奥州市民☆文士劇「鞍馬天狗―悪い奴らは許しておけぬ!正義を守る黒頭巾」(実行委など主催)で、技術監督や照明デザインなどを務めた浅沼昌弘さん(48)=盛岡市=は、第40回日本照明家協会賞舞台部門奨励賞を獲得した。名だたる大劇場・劇団の公演も受けてきた賞で、同文士劇からは初の受賞。全国レベルの評価を受け、奥州市の関係者と喜びを共有している。

 同賞は照明家を対象とした表彰で、舞台とテレビの2部門で映像、脚本、照明の使い方などが分かる資料を基に審査。▽大賞▽優秀賞▽新人賞▽奨励賞▽努力賞▽技術賞―を選出している。

 第40回同賞の舞台部門は20年に上演された公演が対象で、応募総数54点のうち25点が入賞した。

 浅沼さんは主に照明・音響業務を手掛けるアクト・ディヴァイス(盛岡市、水野美砂代表取締役)の照明部長。同文士劇では創設の08年から照明スタッフを手始めに請け負ってきた。第26回の同賞では、盛岡文士劇で同部門新人賞に選ばれている。

 「鞍馬天狗」は江刺体育文化会館ささらホール(奥州市江刺)で上演。めりはりや明暗をくっきりと付けたライティングで舞台を引き立て、持ち込みの機材も駆使して実行委の注文に応え、受賞が決まった。

 浅沼さんは2日に同ホールを訪れ、実行委のメンバーに受賞を報告した。「照明は舞台がないと輝かないもの。文士劇の前身の公演『エサシウタノチカラ』からスタッフとして携わってきた。皆さんの企画で受賞できてうれしい」と感謝。アクト・ディヴァイス創業者で父の久さん(故人)も当初から奥州の文士劇に演出などで大きく貢献しており、「父も同じように成長を見届けてきた。皆さんは今では父が見てきた以上のことをやっている」と愛着を込めた。

 高野誠司実行委員長は「毎回希望をくみ、素晴らしい照明で舞台を盛り上げ観客を楽しませていただいている。照明をはじめ舞台が総合レベルで評価されたからこそで、市民劇、小規模ホールでの受賞は大きな励みになる」とたたえた。

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