北上・西和賀

迫力の大作 躍動的に 利根山生誕100年、美術館25周年 企画展で「阿吽」初公開【北上】

利根山光人記念美術館初公開の「阿」(左)、「吽」。圧倒的な迫力の中に作者の優しさがにじみ出ている

 “太陽の画家”とも称される利根山光人(1921~94年)の生誕100年と利根山光人記念美術館開館25周年を記念した企画展「阿吽(あうん) 佐渡の鬼太鼓(おんでこ)と日本のまつり」は3日、北上市立花の同館で始まった。9月2日まで。

 「阿吽」は新潟県佐渡地方に伝わる民俗芸能「佐渡の鬼太鼓」の一つで、一対の鬼が交互に舞う佐渡で最も多い型の踊り。84年に佐渡を訪れた利根山は、現地の祭りに大いに興味を示し「阿吽」を描き上げたという。1点が横3メートル、縦2メートルの大型油彩は2点で一対となっている。

 展示には広いスペースが必要なため、同地方では展示場所や管理施設がたびたび変わり、近年は展示されなくなっていた。今回の企画展に当たり、同館スタッフが現地に赴き、調査・交渉の上借り受け、運搬してきたという。

 同美術館では2021年、生誕100年と開館25周年を記念した企画展を2期に分けて実施。「企画展Ⅰ」は、同市初となる「阿吽」公開をメインとした「日本のまつり」関連の作品27点を展示しているほか、市立博物館ではメキシコに関わる21点の作品を紹介する特別展「鹿踊とメキシコのまつり」を同時開催している。9月4日からの「企画展Ⅱ」では、「利根山光人記念大賞受賞作品展」「美術館のあゆみ展」を予定している。

 初日に同美術館ではオープニングセレモニーが行われ、髙橋敏彦市長は「展勝地が開園した年に(利根山)画伯が誕生したことは、偶然とはいえ、深い縁を感じる。展開中のトリプルアニバーサリーも含め、子供たちが古里・北上を誇りに感じてもらう機会になることを願っている」とあいさつした。

 また、利根山光人の孫の尾崎健人さんは「(祖父は)本人が感じた『衝撃』を、作品にそのまま閉じ込める魔法を持っている。各地の『まつり』の臨場感やエネルギーを感じてほしい」とメッセージを寄せた。

 開館時間は午前10時~午後4時(入館は3時30分)。入館料は一般300円、高校生120円、小中学生60円。定住自立圏内(奥州、北上、金ケ崎、西和賀各市町)の小中学生は無料となる。

 問い合わせは同館=0197(65)1808=まで。

▲市立博物館で開かれている特別展「鹿踊とメキシコのまつり」

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