一関・平泉

NEC跡地取得関連議案を否決 一関市議会 反対17人、賛成10人

NEC跡地取得関連議案を反対多数で否決した一関市議会

 一関市議会定例会6月通常会議は5日、最終本会議が開かれ、NECプラットフォームズ一関事業所跡地(以降NEC跡地と表記)の取得関連議案2件についてNEC跡地利活用調査特別委員会(勝浦伸行委員長)の審査結果通り反対多数で否決した。勝部修市長提出の議案が否決されるのは初めて。一括売買契約で大筋合意した取得交渉に影響を及ぼすのは必至で、既に今期限りでの引退を表明している勝部市長が市議会改選前に取得関連議案を再提出するかどうかが今後の焦点となる。

 同日は、冒頭で本会議を開いて特別委の審査期限延長要求を決定後、5回目の委員会を開催し、勝部市長の出席を求めてNEC跡地取得に関する質疑が行われた。

 勝部市長はこれまでの取得交渉経緯を踏まえ、同社と交わした意向確認書の有効期限(8月31日)を重視する考えを示した上で「現在の財政状況、今般取得に当たっての財源などを事前に庁内で検討した。決して楽観できる状況にないという認識はあるが、一方で、市の今後のまちづくりを考える場合にやはり必要な部分でもあると考え、思い切った財政出動もやるべき時はやらなければならない」と理解を求めた。

 委員会採決後に開かれた最終本会議では、勝浦委員長の審査結果報告を経て討論が行われた。

 藤野秋男氏(共産党市議団)は「行政が土地を取得するのには明確な理由がなければならない」、千田良一氏(一政会)は「納税者である市民に意見を聞いている段階であり、大方の賛成を得るにはまだ時間が必要だ」と反対を表明。

 一方、金野盛志氏(希望)は「市の発展を左右する場所であり、未来に向けての投資だ」、千田恭平氏(清和会)は「白紙になった後、再び売買の交渉テーブルに着けるかどうか分からない」と賛成を主張した。

 委員会の審査結果を踏まえ、原案に対する採決を行った結果、一政会や共産党などの17人が反対し、希望や市議会公明党などの10人が賛成した。清和会は賛否が割れた。

 取得関連議案2件に対する最終本会議での各議員の賛否は次の通り。(敬称略)

 ◇賛成=小岩寿一、岩渕優、門馬功、佐々木久助、千葉信吉、金野盛志、千田恭平、岩渕善朗、千葉幸男、佐藤雅子

 ◇反対=岩渕典仁、佐藤幸淑、永澤由利、武田ユキ子、那須茂一郎、佐藤浩、千田良一、佐藤敬一郎、菅原巧、岡田もとみ、菅野恒信、勝浦伸行、小山雄幸、千葉大作、小野寺道雄、橋本周一、藤野秋男

momottoメモ

一関市が8月の売買契約締結を目指しているNEC跡地の取得関連議案が、市議会で否決された。提案者の勝部修市長は特別委員会で・・・(続きは電子新聞でお読みいただけます)

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