極楽浄土の花 梅雨彩る 北上・多聞院伊澤家住宅
北上市和賀町岩沢の国指定重要文化財・多聞院伊澤家住宅の池で「中尊寺ハス」が咲き、清らかなピンクの花が梅雨空の下を彩っている。
同家は、平安時代末期の奥州藤原氏3代秀衡が仙人峠通行の安全を祈願し建てた仙人権現(現久那斗神社)の別当。その縁で、中尊寺から2002年にハスが株分けされた。
管理する伊澤初江さん(77)によると、今年は例年よりも1週間ほど早く7月に入ってすぐに咲き始めたという。これから咲く花も多く、今月の第3週に見頃を迎えそうだ。
例年はこの時期に合わせて中尊寺関係者を招いた「青空法話」を開いているが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため2年連続で中止となった。
伊澤さんは「花は午前中しか開かず、3日で散ってしまう。だんだんと咲いている花の数が増えており、これからきれいな姿を楽しんでもらえる」と話している。