北上・西和賀

地滑り動き緩やかに 西和賀町内国道107号 規模推定し工法検討

 のり面崩落の恐れがあるとして全面通行止めとなっている西和賀町内の国道107号復旧に向けた第3回西和賀町大石地区斜面変状情報連絡会議が15日、北上市芳町の北上地区合同庁舎で開かれた。応急工事の水抜き横ボーリングの実施などにより、地滑りの動きが緩やかになっていることが報告された。今後は地滑り範囲を推定した上で、対策工法の検討などに入る。

 両市町や県、国などの関係機関の担当者ら約20人が出席。事務局の県南広域振興局北上土木センターが変状箇所の写真や計測状況のデータを示し、これまでの経緯などを説明した。

 想定される地滑りは、道路からの斜面の長さ約220メートル、幅約180メートル。ボーリング調査の進捗(しんちょく)状況のほか、6月7日からは地下水を抜くための横ボーリングを3カ所で実施したことなどが報告された。

 伸縮計のデータによると、地滑りの動きは6月まで1日に1センチ程度続いていたが、この1カ月ほどは変位が鎮静化傾向。水抜き横ボーリングの効果に加え、まとまった雨が少なかったこと、ダムの水位が下がっていることなどが要因として考えられるという。今月5日に行われた国の専門家による調査でも、現時点では急激に動く可能性は低くなったとの見解が示されたが、洪水時期や融雪量の多い時期は地滑りの発生が想定されるといい、大雨などの影響を注視しながら対応を進めていくとした。

 今後は現在実施するボーリング調査などにより地滑りの規模を推定し、対策工法の検討・決定、工事着手へと進んでいく。同センターの及川郷一所長は「県の調査で分かってきたこともあるし、西和賀町は期成同盟会を立ち上げてさまざまな要望活動を行っている。最新の情報を共有していきたい」と話していた。

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