一関・平泉

“おら”のワインいかが 名称、ラベル一新 あす発売 アグリ平泉

アグリ平泉が名称とラベルを新調した「Ora」ワイン3種類(左からナイヤガラ、キャンベル、デラウエア)

 平泉町の農事組合法人アグリ平泉(佐々木正代表理事)は、果実酒工房・平泉ワイナリーで製造するワインを、新しく「平泉の山の畑シリーズ・Ora(オラ)」と名付けた。ラベルを新調し、ブドウのイラストに中尊寺の国宝をデザインして平泉産日本ワインを強くアピール。17日から新ラベルの製品を販売し、ワイン産地の認知度向上を目指す。

 同法人は、2017年1月に平泉ワイナリーを設立し、地場産リンゴ100%で造ったシードルの販売を開始した。同年から同町長島の耕作放棄地を開墾してブドウ畑30アールを整備し、キャンベルなどの植栽を始めた。20年からワインを販売した。現在は栽培面積を1・5ヘクタールに拡大し、メルローやシャルドネ、ピノ・ノワールなど欧州系品種も栽培している。

 ワインのラベルはブドウの木をあしらったデザインを使用していたが、産地をより明確にしたデザインに変更したいとの声が上がり、同法人で検討していた。

 そんな中、醸造などを担当していた東京都出身の関根康之さんが、今年3月に48歳の若さで急逝。関根さんはフランスのボルドー大でワイン造りを学び複数の現地ワイナリーで修業した経験を持ち、16年6月から同町に移住して法人職員としてワイン造りに尽力。ラベルのデザインも考案しているさなかの突然の死となった。

 関根さんの遺志を継いで新調したラベルは、ブドウの房やつる、中尊寺の国宝「中尊寺金色堂堂内具」の一つ、華鬘(けまん)を描いたデザイン。中央には「Ora」を配置した。Oraはスペイン語であいさつに日常使われるほか、方言で「私」を表すことにちなんで名付けた。佐々木代表理事(72)は「平泉黄金文化の一部を使わせていただき、おらほ(自分たち)のワインという意味を強く意識したラベルにした。平泉のワインを多くの味わってもらいたい」とアピールする。

 同法人によると、シードルの製造は現在休止しているが、ワインは当面、ヤマブドウの県オリジナル品種「涼実紫(すずみむらさき)」を使った「山葡萄」を合わせた4種類を製造する。

 キャンベル、ナイヤガラ、デラウエアの3種類は、750ミリリットル入りで税込み1870円、山葡萄は375ミリリットル入りで同1650円。17日から道の駅平泉と同法人運営の毛越寺門前直売あやめで販売、町内と一関市内の酒店で取り扱う。問い合わせは、平泉ワイナリー=0191(48)4360=へ。

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