一関・平泉

大東・市民俗資料館企画展 「赤荻高砂人形芝居」に焦点 関連資料84点を展示【一関】

一関市民俗資料館で開かれている企画展「赤荻高砂人形芝居」。実際に舞台で使用されていた人形など計84点の資料を並べている

 一関市民俗資料館(藤田俊彦館長)の企画展「赤荻高砂人形芝居」は、同市大東町渋民の同館で開かれている。明治時代末期に市内に伝わったとされる同芝居に関する写真や人形といった資料の数々が展示され、来館者の注目を集めている。9月26日まで。

 同芝居は明治末期に秋田の木工職人が、同市厳美町字市野々原地区に移り住んで地元住民に伝授したのが始まりとされる。後に同地区の住民が同市赤荻に移った際に赤荻地区でも広がったという。興業も行われ、最盛期の昭和30年代には一座を組んで宮城県北から現在の奥州市衣川地区を回っていたという。

 娯楽環境の変化などに伴い、継承者が減少し厳しい環境が続いたが、1997年に市の「里まちづくり推進事業」に指定されたことで復活への機運が高まった。だが練習などに取り組む中、当時活動の中心となっていた人物が2001年に亡くなったことから上演が再び難しくなったという。

 会場には侍や坊主、石川五右衛門など公演時に使っていた高さ30~50センチほどの木製の人形21種類のほか、人形の衣装やステージに掲げられていた幕、1987年に同市赤荻地内で行われた上演の様子を伝える写真など計84点の資料を展示している。

 同市大東町興田地内から訪れた50代女性は「人形はいろんな表情があって面白い。ぜひこの人形たちが動いている場面を見てみたい」と話し、興味深そうに展示を眺めていた。

 同館学芸員の小味浩之さんは「(同芝居は)その場所にしかない魅力の一つでもあり、これからのまちづくりのカギにもなると思う」と語っている。

 入館無料。開館時間は午前9時~午後5時。(入館は4時30分まで)毎週月曜日休館(祝日、振替休日の場合はその翌日)。

 問い合わせは同館=0191(75)2706=へ。

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