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「縄文遺跡群」世界遺産に ユネスコ 御所野(一戸)など登録決定

「北海道・北東北の縄文遺跡群」を構成する一戸町の御所野遺跡(町教委提供)

 日本最大級の縄文集落跡で知られる三内丸山遺跡(青森市)や御所野遺跡(一戸町)など17の遺跡で構成される「北海道・北東北の縄文遺跡群」(北海道、青森、岩手、秋田各県)について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会は27日、世界文化遺産への登録を決定した。本県では「平泉」、釜石市の橋野鉄鉱山・高炉跡を含む「明治日本の産業革命遺産」に続き3件目となる。【3面に関連】

 「奄美大島、徳之島、沖縄県北部および西表島」(鹿児島、沖縄両県)の世界自然遺産への登録も26日に決定しており、国内の世界遺産はこれで25件となった。文化遺産の登録は、2019年の「百舌鳥・古市古墳群」(大阪府)に続き20件目。

 17遺跡は三内丸山遺跡のほか、眼鏡を掛けたような目が特徴的な遮光器土偶が出土した亀ケ岡石器時代遺跡(青森県つがる市)などで構成。四つの環状列石(ストーンサークル)がある伊勢堂岱遺跡(秋田県北秋田市)や集団墓のキウス周堤墓群(北海道千歳市)など、祭祀(さいし)や儀礼に関わる遺跡も含まれる。

 約1万5000年前から1万年以上続いた縄文時代は、狩猟や採集を基盤としながら定住を発展、成熟させた。世界遺産委は「先史時代の農耕を伴わない定住社会と複雑な精神文化を示している」と評価した。ユネスコ諮問機関の国際記念物遺跡会議(イコモス)は5月、世界文化遺産への登録を勧告していた。

 昨年の世界遺産委は新型コロナウイルスの影響で延期された。今年はオンラインで開かれ、2年分の候補を合わせて審査した。来年の審査では、コロナ禍で文化審議会による国内候補の選定ができなかったため、日本の案件はない。【時事】


 達増拓也知事 御所野遺跡は、一戸町で長い間努力して守ってきたもの。世界遺産として認められて大変うれしい。これからは地元の人々に親しんでもらうとともに、全国や海外の皆さんにも訪問してほしい。

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