奥州・金ケ崎

児童においしい贈り物 ブドウ狩り中止で アグリコーポ小田代【奥州】

田原小にブドウを届けた及川組合長(右)と植田理事(奥)

 奥州市江刺田原の農事組合法人アグリコーポ小田代は例年、地元の田原、大田代両小学校児童のブドウ狩りを受け入れているが、コロナ禍で2021年度は中止となった。同法人は19日、両校児童のために残していた分として60キロのブドウを収穫して届けた。田原小の阿部智子校長は「普段からさまざまな形で地域に支えてもらい、児童が健全に育っている。ブドウ狩りは残念だったが、児童はおいしいブドウをもらって喜んでいる」と感謝している。

 同法人は00年に設立し、地域にあったブドウ園を引き継いでハウス栽培している。両校のブドウ狩りは10年以上続いている恒例行事で、ブドウを収穫してその場で味わい、持ち帰るという。20年度は田原小のみが体験し、新型コロナの感染防止対策としてハウス内で食べずに籠いっぱいに詰めて持ち帰ったという。

 今年度は20日に両校で行う予定で日程を組んでいたが、コロナ禍で校外学習ができなくなり、18日に学校側が中止を決断して同法人に伝えた。その後、同法人から学校側に「ブドウは児童のために残しておいた分。こちらで収穫して届ける」と連絡があったという。

 同法人では19日朝から収穫し、2学期始業式の後、同法人の及川隆光組合長(66)と植田喜徳ブドウ担当理事(51)が一部を田原小に届け、3年生の佐藤昂大君(9)、菅原奏斗君(8)、髙橋禮渡君(8)が受け取った。

 佐藤君は「コロナでブドウ狩りがなくなり残念だったけれど、僕たちのために届けてくれてありがとう」と感謝。3人は「ブドウは好き。そのまま皮をむいて食べるのがおいしい」「ジュースもいいね」と話していた。

 同法人は19日中に60キロ分を収穫して田原小に届けた。田原小では20日に大田代小に届けるという。及川組合長は「いつもと違う形になったが、子供たちに喜んでもらいたいと思った」と話し、阿部校長は「1年間を通じてコメ作りでも法人のお世話になっている。このような対応をしてもらって本当にうれしい」と喜びを伝えた。

 田原小第1回卒業生という及川組合長は後輩に向けて「児童のうち2割でも良いから農業に関心を持って、地域でやってもらえばと思っている」と語った。

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