地元の川から砂鉄採取 卒業記念品制作に使用 大原小6年生【一関】
一関市大東町の大原小学校(菊池正人校長、児童97人)の6年生17人は20日、同町大原内野地区の砂鉄川で砂鉄採取を行った。地元ボランティア団体の協力による恒例の取り組み。児童の熱心な作業のかいあって、9月のたたら製鉄体験で原料として使われる80キロほどの砂鉄が集まった。
地域に伝わる製鉄文化の継承活動を行うホッパの会(勝部昌平会長)が協力し、旧内野小時代から継続して23年目。内野地区は良質な砂鉄を産出する砂鉄川上流部に当たることから、かつて盛んだった製鉄を地元の子供たちに知ってもらおうと活動を続けている。
同日は児童のほか、同会会員らが参加。会員は棒状の器具を使って川底の石や砂をひっくり返し、児童たちが磁石を突っ込んで砂鉄を吸い付けながら集めた。例年100キロ前後を採取しているが、同会では「今年は人数の関係で量は少ないかも」と予想。それでも約1時間の作業でバケツ半分ほど集める児童もいた。
こつをつかみ、次々と砂鉄を集めていた鈴木紫音さん(11)は「川の中は冷たくて気持ちいいし、砂鉄をたくさん取れてうれしい。製鉄体験も楽しみ」と待ちきれない様子だった。
同会の勝部欣一事務局長(75)は「子供たちに川に入って自然と触れ合ってほしい。昔この地で行われていた製鉄も分かってもらえれば」と話していた。
採取した砂鉄は乾燥させ、不純物を取り除いて来月10日に砂鉄川たたら製鉄学習館で行う製鉄体験で使用する。その後、卒業記念品の制作に役立てられる予定。