花巻

ボンネットバス“発車” 段ボールで実寸大作る 雪の回廊、霧も再現 盛岡・美術家長谷川さん【花巻】

長谷川さんが段ボールなどで制作したボンネットバス「TSD40改」

 盛岡市の美術家長谷川誠さん(63)のインスタレーション展「TSD40改 霧の堆積」は、花巻市東和町東晴山の晴山倉庫FineArts(ファインアーツ)で開かれている。段ボールなどを利用して実寸大で作られたボンネットバス「TSD40改」を展示。会場には雪壁も再現され、細部まで細かく作られた作品が見る者を圧倒する。9月26日まで。

 長谷川さんは秋田県出身で、岩手大教育学部特設美術科卒。晴山倉庫は同町で開かれているアートイベントへの出展をきっかけに所有者から作品制作の場として倉庫の利用を持ち掛けられ、それからは作品制作、発表の場として活用している。展示会は今回で3回目となる。

 TSD40改は、県北バスで現在も利用されているボンネットバス。1968年式で、41人乗り。積雪期の八幡平市や県内のイベントで運行している。

 長谷川さんもスキーに行く際などに利用したことがあり、霧の中で走行するTSD40改の姿が強く印象に残っていたという。制作に当たり、車体の大きさや構造などを徹底的に調査。ミニサイズの模型を作った後、1年かけて完成させた。

 全長は7メートル66センチ。園芸用の支柱などで枠組みを作り、段ボールで車体やタイヤを制作。ナンバープレートや前方に設置されたウインチなど細部も丁寧に再現しており、ライトの部分にはボウルを利用している。

 バス周囲に設置された雪は園芸用の支柱と白いボール紙で作られている。「霧の中、雪の回廊を走るバスを見てもらいたい」という思いから、バスの前に水滴を垂らしたビニールシートをつるして霧を表現した。

 会場にはバスやスキーに関連した本なども展示。40年近く立体作品を作ってきたという長谷川さんは「これまでは自然をテーマにした作品ばかりで、車を作るのは初めて。本物と勘違いする人もいる。今までの作品の中で一番大きいかもしれない」とし、「消えかけている記憶をたぐり寄せた。鑑賞する際はシート越しにバスを眺めてくれれば」と話している。

 入場無料。時間は午前10時~午後5時。会場はJR晴山駅近く。公開日は今月は22、27、28、29日、9月は3、4、5、10、11、12、17、18、19、23、25、26日。

momottoメモ

地域の記事をもっと読む

花巻
2021年9月28日付
花巻
2021年9月28日付
花巻
2021年9月27日付
花巻
2021年9月27日付