花巻

宇宙から帰還成長期待 下ノ畑でハクサイ植栽【花巻】

宇宙に送られた種子で育てたハクサイの苗を植える参加者

 花巻市の宮沢賢治「下の畑」保存会(菅野將勝会長)は3日、同市桜町の「下ノ畑」でハクサイの苗の植栽を行った。ハクサイの苗は、「東北復興宇宙ミッション2021」の一環で国際宇宙ステーション(ISS)へ打ち上げられ、帰還した種子から育てられたもの。参加者が宇宙を旅してきたハクサイに思いをはせながら、大きく成長するよう願った。

 同ミッションは東日本大震災発生から10年を迎え、世界中の復興支援に対する感謝の気持ちを宇宙から発信する計画。東北被災地の野菜の種やコメ、花などをISSへに届け、地球に戻ってきた種などを活用して地域活性化や、震災の記憶の伝承を図る。ロケットは今年6月に打ち上げられた。

 同ミッションに宮城県の明成高校の生徒が「仙台白菜」の種子を提供。同校と同保存会は長年交流を続けており、同保存会が種子から育てた苗500株を同高から譲り受けた。

 植栽作業には同保存会、桜町4丁目振興会、地域住民ら18人が参加。参加者は苗を一本一本丁寧に植え込み、最後に優しく土をかぶせていた。同振興会長の伊藤茂さん(69)は「宇宙から帰ってきたハクサイがどのように育つのか楽しみだ」と期待を膨らませていた。

 例年は南城小学校の児童も定植作業に参加するが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で今年は参加を見送った。同保存会によると、会員が水やりなどを行い11月に児童と一緒に収穫し、給食の材料などに活用される。

 菅野会長(82)は「南城小の子供たちが参加できなかったのは残念だが、ロマンがあるハクサイなので、収穫する時は喜んでもらえるはず」と話していた。

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