奥州・金ケ崎

伝統工芸で空間演出 衣川ふるさと自然塾コテージ 陳さん(元地域おこし協力隊)観光客向けに【奥州】

衣川ふるさと自然塾のコテージを「外国人が泊まりやすい空間に」とプロデュースした陳さん。岩谷堂箪笥の伝統技法を取り入れたソファとローテーブルに琉球藍染のクッションカバー、テーブルランナーなどで雰囲気を演出した

 奥州市地域おこし協力隊観光化推進員として3年間活動した陳平芸さん(29)=台湾出身、同市在住=は15日、自身がプロデュースした観光客受け入れ空間をお披露目した。陳さんのお気に入りの場所という衣川ふるさと自然塾(同市衣川下大森)のコテージを活用し、同市の伝統工芸や市内で扱っている雑貨などで「アットホーム感」を演出。陳さんは「伝統工芸品の良さを体験し、店や工房へと向かう流れをつくりたい」と話している。

 陳さんは2018年9月から今年8月まで、同市の地域おこし協力隊員として、通訳や観光客向けの資料作成、イベント出店、インターネット交流サイト(SNS)による発信などの活動を展開。観光化推進員として今春まで活動した小川ちひろさんと同様に、自然に囲まれたコテージが気に入り、伝統工芸とのコラボレーション、旅行プランなど自然塾の活用を模索していたという。

 お披露目されたのは、「外国人が泊まりやすい空間に」とのコンセプトで演出された1棟(2階建て、延べ床面積85・7平方メートル)。岩谷堂箪笥(たんす)の伝統技法を取り入れたソファとローテーブルをメインに据え、同市江刺に工房を構える琉球藍染工房による反物、テーブルランナー、クッションカバーで空間にアクセントを付けた。

 また、増沢塗のわん、皿、箸をはじめ、南部鉄器、わら鍋敷き、陶器など、陳さんが市内で見つけた日用品や雑貨も、古民具の雰囲気を醸す食器棚に納められている。

 「海外からの観光客には、伝統工芸品や日本ならではの雑貨を買いたいと思っている人が多い。使ってもらって良さを実感して、購入するという流れをつくれれば」と語る。

 自然塾の良さについては「自然がいっぱいでコテージは大きくて、いろんな体験ができる。プロデュースしたコテージの写真をSNSで投稿したら、友人たちが『行きたい』と反応してくれた。一緒に来たいと思う」と話している。陳さんは今週にも帰国の途に就くという。

 自然塾は現在、市の公共施設の方針に基づいて休館しており、休館明けには陳さんプロデュースのコテージも見学、利用できる。

 問い合わせは自然塾=0197(52)6180=へ。

▲増沢塗の箸、皿、わん、陶器のコーヒー用品など陳さんが市内で選んだお勧めの品々

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