北上・西和賀

1ランク上の品質に 二子さといも 新選果機が稼働【北上】

二子さといも選果機の稼働式で、スイッチを入れる(左から)高橋部長、髙橋市長、伊藤組合長

 JAいわて花巻(伊藤清孝代表理事組合長)は、北上市二子町の北上地域二子さといも選果場に新選果機を導入した。選果精度の向上により共販数量の拡大、高単価販売につなげ、ブランド力の強化を図る。16日に安全祈願祭と稼働式が行われ、関係者が本県を代表する秋の味覚の生産・販売のさらなる発展を願った。

▲選果場に集められた二子さといも

 同市特産の二子さといもは、1981年に秋冬さといもとして産地指定を受け、93年度に国庫補助事業により選果場を新設。2018年に地理的表示(GI)保護制度の登録を受けた。全国的に珍しい「赤茎」の品種で、滑らかな食感と強い粘り気、煮崩れしない軟らかさ、独特の深い味わいなどが特徴。現在は市内の約100戸が約20ヘクタールで栽培しており、20年度は約130トンを出荷、販売額は約5180万円だった。

 同JA北上地域野菜部会さといも専門部によると、新たに導入した選果機は、サトイモを二つのカメラで上、横から撮影して体積や推定重量を判定。サイズごとに選別し、縦横の比率が良くない物などを仕分けるほか、サトイモの投入が自動化され、省力化も図られるという。処理能力は1日(8時間)当たり5・8トン。総事業費は1億1534万円で、市の補助金5000万円を活用した。

 安全祈願祭と稼働式には同JAや市、二子さといも協議会の関係者、作業員ら約30人が出席。玉串奉奠(ほうてん)などの神事で無事故を願い、伊藤組合長、髙橋敏彦市長、同専門部の高橋豊部長がスイッチを入れた。

 伊藤組合長は「老朽化に伴う更新で、今後は生産者が主役となって集荷をお願いしたい。現状の販路、新たな販路を通じ、JA、生産者が一体となって全国の消費者に発信したい」とあいさつ。髙橋市長は「このタイミングでの稼働は、コロナで苦しんでいる飲食の皆さんを盛り上げる切り札となる。生産者には仲間を増やし、さらなるブランドにしていただきたい」と祝辞を述べた。

 今年度の生育は、8月下旬以降の適度な降雨と夜温の低下などから子芋の肥大は順調という。出荷販売計画は数量187・5トン、販売額7500万円を掲げており、出荷は今月下旬を最盛期に年内続く予定。高橋部長は「今までより1ランク上の高性能の選果機により、外観からもおいしさを味わってもらえる。設備を十分に発揮できるよう生産拡大に努める」と語った。

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