北上・西和賀

国道107号 仮設道路設置へ 本復旧長期化で暫定措置【西和賀】

 のり面崩落の影響で5月から全面通行止めが続いている西和賀町内の国道107号復旧に向けた第4回西和賀町大石地区斜面変状情報連絡会議は17日、北上市芳町の北上地区合同庁舎と関係機関をつなぎウェブ開催された。当初の想定より地滑りの規模は大きく、国道の本復旧は相当の長期化が見込まれることから、道路管理者の県は暫定措置として2022年に仮設道路設置に着手する方針を示した。

 会議で県南広域振興局北上土木センターはこれまでの現地調査の結果、想定地滑りの規模は道路からの斜面の長さ約290メートル、幅約170メートル、高さ約160メートルに上ったと報告。地滑りの変位量は小さくなっているものの、いまだ続いているとした。

 来春の融雪期に地滑りの動きが再度大きくなる可能性があり、まずは土塊の動きを抑える応急工事を施工。10月から湯田ダム湖水に10万立方メートルを盛土し、12月上旬に終える見通し。

 現場では土砂崩落した5月1日以降、通行止めが続いており、県は暫定措置として付近に仮設道路を設置する。会議では▽ダム湖水に仮橋を設置し、対岸の県道付近に接続する迂回(うかい)路の確保▽応急工事の上にさらに盛土し、安全確保した上で現国道を通行―の2案を示した。今後、施工期間やコスト、安全面、資材確保など総合的に検討し、どちらの案にするか決定。22年内に着工し、早期開通を図る。

 現場では15カ所のボーリング調査を終えた。国道の本復旧に向け国の災害査定を終えた後に、具体的な工法を選定していく。

 北上川ダム統合管理事務所は、発電事業者や土地改良区の理解を得て22年末まで平常時のダム貯水位を下げて運用。農業用水に影響が出ないよう配慮する。

 座長を務める北上土木センターの及川郷一所長は「当初の想定よりも規模がさらに大きくなり、国などの関係機関とも連携しながら対策工法を検討していく。皆さんにご不便をおかけしているが仮設道路の早期開通を目指し、1日も早く全ての工事を完了させたい」と語った。

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