奥州・金ケ崎

夜明け訪れ願い 「天岩戸開き」画奉納 水沢・大久保さん 伊手・戸隠神社【奥州】

戸隠神社に絵画「天岩戸開き」を奉納した大久保さん(左)と、勝山宮司

 奥州市江刺伊手の戸隠神社(勝山光弘宮司)に23日、「天岩戸開(あまのいわとびら)き」の絵画が奉納された。同地区出身で岩手芸術祭美術展洋画部門理事を務める大久保義雄さん(81)=同市水沢姉体町=が同神社の祭神手力雄命(タヂカラオノミコト)が登場する逸話を描いた作品。大久保さんの同級生で同神社責任役員の勝山信行さん(82)は「天岩戸開きの絵が欲しいと思ってお願いし、素晴らしい絵を描いてもらった。参拝者に見てもらい、祭神について思いを巡らせてほしい」と話している。

 同神社は東北地方には数少ない戸隠神社の一つ。坂上田村麻呂の蝦夷平定の際に鎮護神として勧請され、源頼義、義家父子が前九年・後三年の役で戦勝を祈願したと由緒が残され、その後も旧伊手村の村社となるなど地元住民の信仰を集めている。

 天岩戸開きでは、太陽神である天照大神(アマテラスオオミカミ)が弟素戔嗚尊(スサノオノミコト)の乱暴ぶりを悲しみ天岩戸に隠れて世界が闇に包まれてしまったとされる。岩戸は外側からはびくともしなかったため、内側から開けたくなるように神々は岩戸の前でにぎやかに管弦の演奏や舞踊などを催した。天照大神が外の様子を見ようとこっそり岩戸を開けた瞬間、待ち構えていた手力雄命が岩戸を持って投げ飛ばし、明るい世界が取り戻されたという内容。

 現宮司の父でもある勝山信行さんが「コロナ禍で沈んでいる世の中を明るくしたい。天岩戸開きの絵を奉納してほしい」と大久保さんに持ち掛け、大久保さんも快諾したという。

 大久保さんは「子供の頃から385段ある石段を登ったり、降りたりしていた神社。天岩戸開きの話は聞いていたからやってみようと思った」と、5月ごろから制作に取りかかり3カ月ほどかけて完成した。

 絵画は油彩でF50号(縦1167ミリ、横910ミリ)。天照大神が岩戸を開いて光が差す様子と岩戸を力強く開く手力雄命を中心に据え、岩戸前で演奏や踊りが繰り広げられる様子を描いた。勝山信行さんの助言を得て、夜明けを告げるおんどりなど細かな部分を描き込んだという。

 同日は同神社の社殿で秋祭の祭儀と絵画奉納の奉告祭が行われ、総代ら役員、奉賛会、氏子の代表、大久保さんが参列。疫病退散や子孫繁栄を祈るとともに、絵画への魂入れが行われた。

 祭儀後、勝山宮司は「暗く沈んだ世の中が明るくなるものがたりを再現しており、祭神さまも喜んでいると思う。外からも見えるようにしつらえたので、参拝者には奉納への思いを感じ取ってもらいたい」と語った。

 大久保さんは「子供の頃から親しんだ地元の神社の発展とコロナの収束への願いを込めた。奉納という貴重な機会を頂きうれしい」と話していた。

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