北上・西和賀

繭玉選別 奥深さ触れ 親子ら養蚕体験 更木活性化協【北上】

繭が入った蔟を枠から慎重に取り外す参加者。右は福盛田社長

 北上市の更木活性化協議会による養蚕体験は16日、同市更木の更木ふるさと興社(福盛田洋幸社長)で行われた。参加者は作業体験を通して養蚕の苦労や奥深さに触れた。

 明治から昭和にかけて日本の産業を支えてきた養蚕業を、広く一般に知ってもらおうと企画。

 これまでは桑の葉の収穫や蚕への給餌などを体験メニューとしていたが、今回は、蔟(まぶし)と呼ばれる道具の中に作られた繭を、選別して取り外す収繭(しゅうけん)作業を行った。

 午前の部と午後の部の2回実施された体験イベントには、市内の親子連れら約20人が参加。福盛田社長らの説明を聞きながら、回転式の枠から蔟を外し、繭玉をより分けてふんなどを取り除いた上で、繭を外す機械に掛け、さらに繭玉を選別するという一連の作業を行った。

 途中、福盛田社長からの「蚕のふんは畑の肥料になるほか、お酒やお菓子などにも使われる。一つの繭から1500メートルの糸が取れることもある」といった説明に参加者は驚いたり、感心したりしていた。

 体験会場の養蚕ハウス内には、桑の葉を食べたり、繭を作り始めたりしている幼虫もいて、子供たちは手に乗せては「軟らかい」「かわいいね」などと大喜び。中には繭を切ってさなぎを取り出し、じっくり観察する子供もいた。

 家族4人で参加した同市村崎野の八重樫真人さんは「7歳の娘が虫が好きなので参加したが、養蚕の様子を初めて見たので親も楽しめた」と笑顔で話していた。

 2009年設立の同興社は、地域に多くある桑を活用し、桑茶や桑麺などの製造、養蚕事業を通して、地域活性化に一役買っている。

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