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包括業務提携に合意 岩手銀と秋田銀 収益基盤強化目指す

包括業務提携合意後に握手を交わす田口頭取(左)と新谷頭取

 岩手銀行(盛岡市、田口幸雄頭取)は27日、秋田銀行(秋田市、新谷明弘頭取)と包括業務提携を締結することで合意したと発表した。岩手、秋田各県でトップシェアを誇る地銀同士の協業。両行は業務コストの削減のほか、新事業創出や人材交流など幅広い分野で協力して取り組み、収益基盤の強化を目指す。

 提携名称は「秋田・岩手アライアンス」。両行は▽地方創生や地域課題の解決▽規制緩和に対応した新たな事業分野▽両地域をまたぐ商流の活性化、広域化▽システムや事務、オフィス共同化等効率化▽組織態勢の強化や人材育成―の5領域ついて検討し取り組む方針。今後、両行間で検討組織を設けてスピーディーに進める。

 提携理由について両行は、規制緩和を積極的に取り入れ、新分野のノウハウを共有、蓄積するなどして相互に営業基盤や経営資源を活用するためと説明。経営の独立性と健全な競争関係を維持し、収益拡大やコスト削減につながる効果の発揮を目指し協力関係を深化させるとしている。

 両行の頭取が同日、盛岡市内で記者会見した。田口頭取は「地方銀行を取り巻く経営環境は厳しく、役割を果たすためにはさらなるコストの縮減が必要。さまざまな知恵を集め、環境の変化に対応した新たなビジネスモデルを構築したい。両行が培ってきた信頼関係をもとに連携効果を生み出せるようスピード感をもって取り組みたい」と意欲を示した。

 経営統合などについては「現時点では包括業務提携でいろんなことができると思っているが、将来的に環境が変われば経営統合や合併などという選択肢もない訳ではない」と述べた。

 岩手銀は、秋田銀、青森銀を含む3行でATM(現金自動預払機)の手数料無料提携や商談会の共同開催など協力関係を深めていた。一方、青森銀が同じ青森県のみちのく銀行と合併を目指し経営統合の協議を進めていることや、本県に本店を置く東北銀が、荘内銀(山形県)と北都銀(秋田県)を傘下とするフィデアホールディングス(HD)と2022年10月の経営統合に向けて準備を進めるなど、全国の地銀でも再編や提携の動きが活発化している。


 岩手銀行 1932(昭和7)年に岩手殖産銀行として設立。2021年3月末時点で県内中心に109店舗を展開し、預金残高(単体)は3兆2057億円。グループ全体の従業員数は1518人、総資産は3兆8409億円。

 秋田銀行 1879(明治12)年に開業。2021年3月末時点で本支店・出張所は98店舗を展開しており、預金残高(単体)は2兆9080億円。グループ全体で従業員数は1353人、総資産は3兆4887億円。

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