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技術で園芸経営支援 県農研センターとサンポット 光合成促進機開発 小規模パイプハウス向け【岩手】

小規模ハウスに適した小型炭酸ガス発生機(中央)を開発した県農業研究センター、サンポット関係者ら

 県農業研究センター(北上市成田)と総合暖房機器メーカー・サンポット(花巻市北湯口)は、小規模パイプハウスに適した小型炭酸ガス発生機(光合成促進機)を共同開発した。栽培野菜の収量増、農家の所得向上や経営の大規模化につながると期待される。

 県は環境制御の技術を核とした施設園芸を目指しているが、本県は大規模ハウスの経営が少なく、関東以西で使われている大型炭酸ガス発生機は費用対効果が悪い上に、夏場の暑さ対策による換気でハウス内の空気調整が難しいなどの課題がある。

 本県で主流の60~100坪規模のハウスで使用できる小型装置の開発が求められ、2020年から同社が装置の試作・開発、同センターが試作機を用いた増収技術の開発を進めてきた。

 開発された小型炭酸ガス発生機は、高さ48センチ、幅64センチ、奥行20・6センチのコンパクトサイズ。炭酸ガス発生量はハウスの規模に応じて3段階に切り替えられるほか、運転時間を設定できるタイマー、耐震自動消火装置、不完全燃焼防止装置を搭載している。送風ファンとダクトを組み合わせることで局所的に施用できる。

 機器は既に今夏から県内で先行販売されており、同センターでは7カ所でモデル実証を行っている。二戸市内の実証圃場(ほじょう)で行われたキュウリ栽培(早熟作型)では慣行ハウスと比較して10アール当たり17%の単収向上が図られたという。県南地域では奥州市でピーマン、一関市でトマトについて、それぞれ80坪の実証圃場でミスト発生装置と組み合わせた試験を実施している。

 9日に同センターで開かれた報道機関向け説明会で、同センター野菜研究室の松橋伊織専門研究員は「ミスト発生装置を組み合わせることで、野菜は効果的に炭酸ガスを吸収することができる」と解説。中南博所長は「低コストによる環境制御技術を核とした施設園芸を進めており、測定装置や制御盤なども開発している。残された課題であった小型炭酸ガス発生機により一層の環境制御技術の普及・加速につながる」と期待を込めた。

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