サンふじ100万円 江刺りんご 盛岡で初競り
奥州市江刺で栽培される「江刺りんご」の主力品種サンふじの初競りが13日、盛岡市中央卸売市場で行われた。今年は春先の低温や霜、降ひょう被害により生産量は減少したものの、最高品質の特選1箱(28個入り、10キロ)が前年を30万円上回る100万円で競り落とされた。
JA江刺管内のサンふじ255ケース、シナノゴールド170ケースが出荷され、午前6時30分すぎに初競りが始まると仲買人の威勢のいい掛け声が飛び交った。
5年連続で特選を競り落とした盛岡市のベジフル姫神の中野健一営業推進課長は「霜や降ひょうなど厳しい状況の中でも、例年通りの素晴らしい出来。生産者の努力による立派な商品なので、それに見合った値段を付けなければいけないと思っていた」と話した。
同JAによると、4月の低温や霜により、つぼみが凍るなどしたほか、6月には降ひょうで傷が付く被害も発生し、江刺りんごの生産量は2~3割減少。サンふじの今年の出荷量は例年の10万ケースを下回る6万4000ケースが予定されている。味は甘みと酸味がちょうど良く、例年通りの仕上がりという。
同JAりんご部会の小沢静雄部会長は「さまざまな被害を受けた厳しい状況の中で、昨年を上回る金額で落札されたことに感謝したい。100万円の大台に乗ったことは今後、生産者の励みになる」と喜んでいた。