一関・平泉

義経と弁慶“ご対面” 道の駅平泉に展示 幸田町(愛知)が大凧寄贈 世界遺産登録10周年記念

世界遺産登録10周年を記念して平泉町に贈られた源義経が描かれた大凧(上部左側)。杉浦保存会長(左)と成瀬町長(左から2人目)から受け取る青木町長

 「平泉の文化遺産」世界遺産登録10周年を記念し、平泉町に21日、交流のある愛知県幸田町から平泉ゆかりの源義経が描かれた大凧(だこ)が寄贈された。2017年には幸田町から武蔵坊弁慶の大凧が贈られており、関係者が両町の発展と末長い交流に期待した。

 道の駅平泉で行われた寄贈式には、幸田町から成瀬敦町長、制作した「こうた凧保存会」の杉浦忠幸会長ら9人、平泉側は青木幸保町長ら職員、来賓の12人が出席した。同駅エントランスホールの天井に義経の大凧が設置され、成瀬町長と杉浦会長が凧に付けられた約13メートルのひもを束ねて青木町長に手渡した。

 あいさつで成瀬町長は「今年はコロナ禍ではあるが、登録10周年の記念すべき年に義経の凧を贈ることができた。これからも両町が手を合わせながら町の発展に寄与していきたいと思う」と述べた。青木町長は「義経と弁慶がそろい万感の思い。頂いた凧は6畳の大きさだが、約束していた16畳の大凧をぜひとも揚げたい。実現できるように両町の友好を深め、末永い交流に期待したい」と語った。

 凧の大きさは、世界遺産登録5周年を記念して17年に寄贈された弁慶と同じ約6畳(縦約3・8メートル、横約2・8メートル)で、同駅には主従2人がにらみ合うように並んで設置された。

 同保存会の杉浦会長は「鬼のかぶとを付けた義経を描いた。平泉町のためだけに作ったオリジナルの大凧で、弁慶と同じく出来栄えは最高だ」と語る。

 平泉と幸田の交流は、両町に工場を立地する大手自動車部品メーカーが東日本大震災が発生した直後に支援活動を行ったのを契機に、12年に両町間で締結した災害時の相互応援協定が縁で実現した。世界遺産登録5周年を記念して17年2月には、寄贈された弁慶の大凧が平泉町内で揚げられ、雪の中で空高く舞い上がった。

 幸田町では毎年1月に一大イベント「こうた凧揚げまつり」(今年はコロナ禍で中止)が開かれるほど和凧作りが盛ん。同日は義経の凧揚げも計画されたがコロナ禍で見送られた。

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