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障害者アート ラッピング自販機に 作者へ一部還元 みちのくコカ、ヘラルボニー【岩手】

佐々木さんのデザインが施された自販機の前で記念撮影する(右から)秋山副社長、松田副社長、三田社長

 清涼飲料水の製造・販売を手掛けるみちのくコカ・コーラボトリング(盛岡市、谷村広和社長)は24日、ヘラルボニー(同市、松田崇弥社長)がライセンス契約を結ぶアーティストのデザインでラッピングした自動販売機を同市内に初めて設置した。売り上げの一部が障害のあるアーティストに還元される仕組みで、同日は関係者が1号機の設置を祝った。

 両者のアートを通じた地域づくりの一環。ヘラルボニーが契約を結ぶ障害のあるアーティストの作品を自動販売機にラッピングし、作品使用料として売り上げの一部をアーティストに還元する取り組み。アーティストの収入アップとともに、障害者の作品により地域を彩ることで障害に対するイメージを変えることにもつなげたい考えだ。

 同市大通の商業施設「クロステラス盛岡」外に設置された1号機のデザインは、花巻市のるんびにい美術館に在籍する同市の佐々木早苗さん(58)の作品。

 同日現地で開かれた披露会で、みちのくコカの秋山徹郎副社長は「多様な価値観を包括する世の中を目指す取り組みをグループの使命としており、ヘラルボニーと仕事ができることがうれしい。今後も順次拡大したい」、ヘラルボニーの松田文登副社長は「アートを通じて街中を彩ることで社会が潤うことを願う」と意欲を示し、設置に協力した三田農林(盛岡市)の三田林太郎社長も「街中のにぎわいにつながってほしい」と期待した。

 みちのくコカとヘラルボニーは、理解者の輪を広げながら設置場所を増やしていく計画だ。

 ヘラルボニーは、国内の福祉施設37カ所を含め国内外153人の障害のある作家とアートに関するライセンス契約を結んでいる。

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