奥州・金ケ崎

日本フィルと夢の共演 受講生が成果披露 奥州ジュニアオケ開講10周年

奥州ジュニアオーケストラスクールが共演した日本フィル胆沢公演

 胆沢文化創造センター開館30周年と奥州ジュニアオーケストラスクール開講10周年を記念した「日本フィルハーモニー交響楽団胆沢公演―地元オーケストラとの夢のステージ」は4日、奥州市の同センターで開かれた。同スクールの受講生が日本を代表するオーケストラと共演し、10年間の成長ぶりを聴衆に聞かせた。

 同スクールは2011年、同センターが東日本大震災で被害を受けたことで事業実施も危ぶまれたが、講師の寺崎巖さん(60)らの協力により9月に開講。以来、児童生徒がバイオリンとチェロを学んでいる。

 同日のコンサートは、新型コロナウイルス感染拡大防止のため通常の半分の客席で開催。開会に当たって主催したNPO法人胆沢文化会館自主事業協会の藤田春芳理事長が「心豊かで潤いのある地域文化の発展に寄与したい」とあいさつ。

 オープニング演奏で同スクール受講生19人と寺崎さんが主宰するいわてフィルハーモニー・オーケストラが、寺崎さんが初心者でも活躍でき、基礎が学べるようにとコロナ禍で作曲した「シンフォニア2020作品1―2第1楽章」を奏でた。

 続くシベリウス作曲「フィンランディア」では、同スクールの7人が日本フィルと共演。迫力あるリズムと美しいハーモニーで紡がれた北欧音楽に聴衆は魅了されていた。

 その後はいわてフィルと日本フィルがチャイコフスキー作曲「弦楽セレナーデ第1楽章」を共演。最後は盛岡市出身のピアニスト佐藤彦大さんと日本フィルによるベートーベン作曲「ピアノ協奏曲第5番『皇帝』」で締めくくった。

 開講以来バイオリンを学んでいる熊本怜央さん(17)=奥州市衣川=は、日本フィルとの共演について「ステージを包む音の迫力で興奮した。かき立てられるような思いがしてこのままずっと曲が終わらなければいいのにと思った」と興奮気味に話していた。

 講師として10年携わってきた寺崎さんは「スクールの受講生の成長ぶりは『継続は力なり』を感じさせてくれる。コロナで合奏ができないこともあったが、この経験を基に個々の力を伸ばしてさらに成長することに期待している」と語っていた。

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