一関・平泉

若水送り 縮小開催へ 東山・2年ぶり【一関】

 一関市東山町の磐井清水若水送り実行委員会(安東正利委員長)は、2022年1月1日の恒例行事「磐井清水若水送り」の開催を決めた。第30回の節目となるため参加者は一般公募せず30人に限定、儀式を簡素化し、同町松川から平泉町まではバスで移動する。21年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で1993年の復活以降初の中止としており、来年は縮小ながら2年ぶりの開催となる。

 若水送りは松川の里人たちが藤原秀衡公の命により新年に「磐井清水」から奈良坂峠、東岳峠を越えて平泉町の柳之御所まで若水を手渡しで運んだと伝えられる故事を再現している。

 93年に約800年ぶりに復活して以降毎年行われており、2020年には厳寒の中同町松川の磐井清水から令和になって初めてくんだ若水を子供から大人まで124人が約20キロを歩き平泉町の中尊寺まで送り届けた。中止となった21年は例年のように行列はつくらず、磐井清水若水送り保存会の佐藤育郎会長と同実行委の安東委員長の代表2人が磐井清水からくんだ若水を中尊寺に献上、コロナの早期収束と世界の安寧を願った。

 第30回磐井清水若水送りの開催は中尊寺側とも協議を重ね、5日の実行委で決定した。当日は午前5時30分に磐井清水で稚児の千葉丈虎君(三室平)が若水をくみ奈良坂峠と東岳峠の道中はバスで移動。中尊寺月見坂から行列をつくり同寺本坊で若水を献上する。

 安東委員長は「今年も行事は中止しても若水の進上は絶やさなかったが、来年は30回の節目でもあり、人数を限定する形でやりたい。再来年は通常の形で若水送りができるようになってほしい」と願う。

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