一関・平泉

新年準備へ飾り花 毛越寺【平泉】

毛越寺の諸堂に供えるため八重桜を模した飾り花を作る職員

 平泉町の毛越寺(藤里明久貫主)では、新年を迎える準備の一つ、桜の飾り花作りが行われている。丸く型抜きした和紙を重ね合わせて作られた花は桜の木に飾り付けた後、境内の諸堂に来年1年間供えられる。

 飾り花は、同寺に伝わる国重要無形民俗文化財「延年の舞」の「花折」にちなんだ八重桜を模したもの。例年より2週間ほど早い11月初旬に始まった作業では、同寺職員3人が桜の花びらの形に型抜きして縁を染料で赤く染めた和紙を10枚重ねて貼り合わせ、形を丸く整えて仕上げている。

 今月8日からは、飾り花作りと併せて常行堂内に供える桜の木に和紙の葉と一緒に取り付ける作業も開始。高さ約1・5メートルある木の枝へ飾り花を1個ずつ丁寧に取り付けていた。

 飾り花は9日までに300個ほど製作され、桜の木に取り付けたものなどを常行堂や開山堂、位牌(いはい)堂に供えるほか、小枝に飾り付けたものは、延年の舞の「花折」「田楽」で僧侶や童子が手にして舞う小道具に使われる。

 同寺総務部の南洞法玲次長(42)は「新型コロナウイルス感染拡大の影響で、世界遺産登録10周年に予定されていた行事ができないこともあったが、秋からは境内にも多くの参拝客が見られるようになった。今後も初詣など新年の準備を整え、参拝客を出迎えたい」と話していた。

 同寺では新年を迎える準備が今後本格化し、28日には鏡餅用の餅つきや山門への大しめ縄飾り付けが行われる。

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