一関・平泉

伝統芸能 間近で 能や狂言を鑑賞 桜町中3年生【一関】

桜町中体育館の特設舞台で3年生を前に上演された能「羽衣」

 一関市三関の桜町中学校(北村正俊校長、生徒286人)で8日、平泉町ゆかりの喜多流能楽師らを招いた芸術鑑賞教室が開かれ、生徒が目の前で繰り広げられる第一人者の能や狂言の上演を通して日本古来の伝統芸能を体感した。

 同校3年生103人を対象に、文化庁の「子供のための文化芸術鑑賞・体験支援事業」として開催。会場となった同校体育館には同町の中尊寺境内にある白山神社能舞台と同じ松の絵が架けられた特設舞台が設けられ、父が同寺出身で同じく能楽師の佐々木多門さん(東京都在住)をはじめとする14人が講師として招かれた。

 披露されたのは、佐々木さんが主役のシテを務めた「羽衣」と、狂言「柿山伏」で、羽衣は音楽の教科書でも紹介されている演目。柿山伏は修行を終えた山伏が故郷に帰る途中、木に実った柿を盗んだところを持ち主に見つかり懲らしめられるというもので、ユーモラスな身ぶりを交えたやりとりに、生徒たちも興味深そうに見入っていた。

 能楽師の塩津圭介さんによる解説では面や装束などの説明も行われ、「皆さんが住んでいる隣町には、白山神社能楽堂という立派な能舞台がある。毎年8月には全国でも有数の薪能が催されるので、ぜひ一度見てほしい」とアピール。最後に生徒を代表して中山結衣さんが「日ごろの生活の中で触れることができない貴重な体験だった。能に興味を持ったので、今後は意識しながら生活していきたい」と感謝を述べた。

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