北上・西和賀

「ともしび号」出発進行 岩手大生らデザイン 新移動図書館車【北上】

新「ともしび号」お披露目式で元気良く歌う大通り保育園の園児たち

 北上市の3代目移動図書館車「ともしび号」のお披露目イベントは23日、同市新穀町の市保健・子育て支援複合施設hoKko(ほっこ)で行われた。2000年から運行されてきた2代目ともしび号の老朽化により更新したもので、市民や関係者が新車両の“門出”を祝った。

 新「ともしび号」は4トントラックを改造したもので、約3000冊の本を積載できる。車両デザインは岩手大インダストリアル・デザイン(ID)研究室の学生らが担当。車両右側面のイラストは桜並木をイメージしたピンク色を基本に、同市の観光キャラクター「おに丸くん」と、友達として新たに考案された「おにさくちゃん」「きたゆりちゃん」が読書を楽しんでいる。左側はカラフルな虹がかかった青い空を基調に、笑顔のお日さまの下、3キャラクターが仲良く飛んでいる様子が描かれている。

 お披露目式で及川義明副市長は「移動図書館車は3市町村合併前の1969年から導入しており、現在も市民の読書活動に大いに貢献している。素晴らしいデザインの車両が市内を走り回り、市民から愛着を持って利用されるよう期待する」とあいさつ。

 デザインを担当した岩手大の田中隆充教授、久保田陽子准教授、渡邉さくらさん(4年)ら学生4人に感謝状が贈られた。渡邉さんは「友達や家族と読書を楽しみ、本の中でさまざまな世界を旅してほしいという思いを込めた。北上らしさと華やかさの演出に苦労したが、ともしび号の歴史に新たな一ページを刻むことができて光栄に思う」と笑顔を見せていた。

 大通り保育園の5歳児33人が新車両の横で「ともだち讃歌」を元気良く歌い、新しい「ともしび号」を歓迎した。テープカットで運行開始を祝った後、早速貸し出し業務が行われ、市民は新車両の外観をじっくり見たり、書架に並べられた本を手に取るなどしていた。

 ともしび号は、福祉施設や保育施設、交流センターなど市内16コース約90カ所を巡回。昨年度は約5万3000冊を貸し出している。2代目車両は、海外での再利用が予定されている。

 お披露目式を前に、市立図書館雑誌スポンサーとして5年継続した企業・団体への感謝状贈呈式も行われた。今回の被表彰者はエクナ、北上西ロータリークラブ、北上和賀ロータリークラブ、鬼柳、コセガワ、佐藤四三室内の6企業・団体。

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