奥州・金ケ崎

風景、人物画味わい深く 佐々木精治郎(水沢黒石出身)展 めんこい美術館20周年記念【奥州】

めんこい美術館の開館20周年を記念して開かれている佐々木精治郎展
肖像画は佐々木の家族、親族らを描いた作品も多く並んでいる

 奥州市のめんこい美術館の開館20周年を記念した佐々木精治郎展(市文化振興財団主催、岩手日日新聞社など後援)は、同市水沢佐倉河字東広町の同館で開かれている。同市水沢黒石町出身の画家佐々木精治郎(1885~1971年)の画業を、収蔵品や地域に残る作品から紹介している。30日まで。

 佐々木は県立盛岡農学校を卒業後、機械化農業を学ぶため渡米したが、事業の失敗を機に画家を志した。現地で学費を稼ぎ、ロサンゼルス美術学校で学び首席で卒業。19年に帰国後は黒石地区住民の肖像画を手掛け、個展も開催するなど精力的に活動した。27年には米国時代に果たせなかった渡仏を果たし、サロンにも出品。岩手美術連盟の結成にも尽力し、71年に東京都の自宅で死去した。

 佐々木の作品はこれまで、同館の常設展で紹介してきた。20周年に当たり新たに寄贈された物をはじめとする収蔵品や、地元黒石地区の施設、個人などが所蔵する作品も借り受けて80点を展示している。

 今回の展示は油彩やパステルを中心に水彩、スケッチなども並ぶ。佐々木が実際に使用した画材も展示している。

 このうち裸婦画は、念願のフランス留学時代に集中的に取り組んだ作品が集まった。風景画には正法寺や生家の雪景など、当時の故郷の様子も描かれている。20周年展に合わせ、常設展示も入れ替えている。

 同館は市文化会館(Zホール)の分室として2001年4月に開館。同市唯一の美術館として、貸館や郷土出身・在住芸術家の作品紹介、アーティスト応援プログラム、展示室を利用したものづくり・制作支援などの事業を展開している。常設展は佐々木のほか、世界のアゲハチョウ展も開いている。

 同館は火曜休館で、入場無料。開館時間は午前9時~午後5時。

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