花巻

朗読に変更 稽古佳境 市民劇場「斎藤宗次郎物語」 19、20日公演【花巻】

公演まで1週間に迫り、熱のこもった稽古を繰り広げる花巻市民劇場のキャストら

 花巻市文化会館で開かれる第46回市民劇場「そして汽車は南へ走る~斎藤宗次郎物語~」(市主催、市民劇場委員会制作)は、公演まで1週間を切った。2021年12月上旬に旗上げし準備を進めてきたが、新型コロナウイルス感染の急拡大により急きょ、形態を朗読劇に変更して上演。キャストやスタッフは、健康を第一に感染対策を取りながら熱のこもった稽古を繰り広げている。

 市民劇場は今月19、20の両日に上演される。今回はキリスト教の信仰に生涯をささげた笹間村(現花巻市笹間)出身の斎藤宗次郎(1877~1968年)を題材にした舞台で、講談師の地伏亭金目(本名・松田真学)さんが脚本、実行委の高橋信也会長(54)が演出を担当。10代から60代までの市民ら総勢30人余りがキャストやスタッフとして参加する。

 稽古は昨年12月8日から週2日のペースで始まった。新型コロナ感染が急拡大する中、健康や安全を第一に上演する道を探り、一定の間隔が保てる朗読劇とすることを1月26日に決定。マスクの着用や手指消毒はもちろん、一度に大勢が集まらないよう配慮して準備を進めている。

 物語の舞台は明治、大正時代のまだキリスト教がそれほど浸透していなかった花巻。内村鑑三の弟子となり、キリスト教徒としての生き方を貫いた斎藤の花巻時代にスポットを当て、迫害を受けながらも地域のために真面目に働く姿を描く。

 朗読劇として上演するため、物語を進行するストーリーテラーを加えるなど台本には一部手直しが入る。公演まであと1週間となった11日は、キャストら10人余りが参加して稽古を重ねた。主役を演じる大窪了さん(30)は「斎藤は清廉潔白で道徳心が強い。一方で本当に自分が正しいことをしているのかと葛藤する一面もある。地域のことや家族のことを考える、人間味のある斎藤の姿を感じてもらえれば」と力を込める。

 高橋会長は「前回はコロナ禍で中止したので、今回は何とか上演にこぎ着けたいと朗読劇という形にした。オンラインも考えたが、生には演者の熱がダイレクトに観客に伝わる感動がある。『動けない』といった身ぶり手ぶりなしで声や表情だけで芝居をする難しさはあるが、自分たちが楽しくやり、その楽しさを感じてもらえればうれしい」と話す。

 2回公演で、19日は午後6時30分、20日は午後2時開演。全席自由で、入場料は一般・高校生が1人500円、中学生以下は無料。

 問い合わせは、同館=0198(24)6511=へ。

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