花巻

門出彩るひな人形 卒業式会場に展示 1、2年有志飾り付け 大迫高【花巻】

卒業式の式場に展示するひな人形を飾り付ける大迫高の生徒

 花巻市大迫町の県立大迫高校(三田正巳校長、生徒69人)は、3月1日に行われる卒業式の式場にひな人形を展示する。市大迫総合支所や地元の商工会議所の協力を得て初めて企画。1、2年生有志が同町内に保管されているひな人形を同校体育館内に飾り、3年生の晴れの門出に花を添える。

 同校では「おおはさま宿場の雛(ひな)まつり」に生徒たちがボランティアとして参加していたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響でまつりが2年連続で中止となった。1、2年生はボランティアに参加する機会を失ったことから、同校では地域とのつながりが薄れないようにと展示を企画した。

 式場には七段飾りと三段飾りを並べる。このうち三段飾りのひな人形は、同校元校長の佐藤睦朗さん(62)が同まつり実行委に寄贈した江戸時代に作られた享保雛と古今雛が並ぶ。

 25日に体育館で飾り付けが行われ、1、2年生と教職員、同まつり実行委員のメンバーら約20人が参加した。生徒たちはメンバーから置き方や宿場の雛まつりの歴史を教わり、貴重なひな人形の扱いに緊張しながらも作業を進めていた。

 同実行委の浅沼雅代さん(84)は「2年連続でまつりが中止となり、日の目を見られなかったおひなさまたちも飾ってもらえて喜んでいると思う」と笑顔。佐藤さんは「自分の寄贈した人形が大迫高に飾られるなんてうれしい。1、2年生にとっても、いい経験になるはず」と期待していた。

 同校生徒会の熊谷綾乃さん(2年)は「100年以上前のひな人形を触ることなんてなかったので、新鮮だった。きょうの経験は一生忘れない」と感動した様子。卒業式に向けて「3年生にはすごくお世話になった。在校生が手掛けた大迫高のひな祭りを見てほしい」と力を込める。

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