一関・平泉

3年ぶりに中尊寺薪能 8月14日 野村親子3代初出演【平泉】

記者発表で3年ぶりの中尊寺薪能開催に向けた思いを語る佐々木宗生さん

 中尊寺薪能の会(山平省一会長)は30日、新型コロナウイルス感染拡大の影響で2年連続延期していた「喜多流第43回中尊寺薪能」を、8月14日に平泉町の同寺白山神社能舞台で行うと発表した。3年ぶりとなる公演では人間国宝の和泉流狂言師・野村万作さんが親子3代で出演するほか、同寺出身の能楽師で薪能発起人の1人でもある佐々木宗生さんも初めて親子3代で同じ舞台に立つ予定。観能券(前売り券)は6月1日から販売される。

 町内で行われた記者発表では、延期していた和泉流狂言「孫聟(まごむこ)」と能「国栖(くず)」の2番のほか、仕舞「田村」「高野物狂」を上演することが明らかにされた。

 「孫聟」は、結婚後初めて妻の実家へあいさつに訪れた婿と口うるさい祖父のやりとりを描いたもので、シテ(主役)の祖父を万作さん、アド(相手役)の聟役は実際の孫となる裕基さんがそれぞれ務める。

 「国栖」は、古代日本最大の内乱とされる壬申の乱を舞台にした物語性と能の舞踊を生かした痛快で迫力ある作品。シテの蔵王権現と老人の二役を宗生さんの息子多門さん、追手の兵を野村萬斎さんがそれぞれ演じるほか、子方の浄見原天皇は多門さんの子供で小学生の美緒さんが扮(ふん)する。

 仕舞「高野物狂」で舞台に立つ宗生さんは「全国で年間150カ所も行われていた薪能がコロナで中止された中、中尊寺を3年ぶりの始まりとしていく」と再開への意気込みを語った。

 当日は午後4時30分からの祭儀で開幕し雨天催行。新型コロナ対策で座席数は従来の約半数となる417席とする。観能券はS席(屋根付き)1万円、A席7000円(当日1000円増し)、B席4000円(同)、学生3000円。県内では同町の平泉観光協会、一関文化センター(一関市)、奥州市文化会館、川徳(盛岡市)のほかチケットぴあでも取り扱う。

 問い合わせは同会(平泉観光協会内)=0191(46)2110=へ。

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