森林資源の大切さ理解 伐採作業を体験 湯田中1年生【西和賀】
西和賀町の森林環境教育は6日、同町川尻の湯田中学校(吉田幸哉校長、生徒39人)で行われ、1年生12人が伐採作業体験などを通じて森林の大切さや林業の役割について学んだ。
初めに、森林インストラクターの泉桂子県立大総合政策学部准教授が▽旧湯田町の人々と森林の関わり▽木材は優れた素材▽私たちにできること―などをテーマに授業した。
江戸時代の飢饉(ききん)の際に西和賀では木の実や草の根などで飢えをしのいだことや、木材を使った東北の伝統工芸のほか、本県は生漆や木炭、アカマツの生産量が全国1位となっていることなどを紹介し、「木材はみんなにとって身近で、生産する森林は生き物のすみかにもなる。捨てるときに地球に迷惑を掛けず紙などに再利用できる」と語った。
学校周辺で行われた伐採作業体験では、生徒がのこぎりの使い方を教わりながらイタヤカエデやタニウツギなどを切り倒し、約30センチに切ってまきにした。乾燥させた後、町内の施設のまきストーブに活用される予定で、橋本航さんは「のこぎりは引くときに力を入れると切れやすいことが分かった。家にもまきストーブがあるし、木は工作や家を建てるときに使うので大切にしたい」と話していた。
町では、貴重な地域資源である森林について理解を深め、木に携わる仕事について考えてもらおうと、2019年度からの継続事業として森林環境教育に取り組んでいる。町内4小中学校のうち、湯田小、沢内中では既に行われ、沢内小では9月に実施する予定。