県内外

処理費求め県など提訴 病院跡地から廃棄物 軽米町

 軽米町の旧県立病院跡地から医療廃棄物や土壌汚染が見つかったとして、町は8日、県などに対し、処理費用など1億9500万円余りを求め盛岡地裁に提訴した。

 訴状などによると、町は2017年に公共複合施設「かるまい交流駅」(仮称)建設のため、町民から土地を購入。20年11月に着工したが、敷地内から注射器などの医療廃棄物が大量に発見されたほか、環境基準を超える鉛成分が検出された。医療廃棄物は、1969年までこの土地にあった旧県立軽米病院の関係者が埋設したとみられる。当時は廃棄物処理法の制定前だった。

 町は処理方法について県医療局と協議していたが、県側が費用負担に難色を示しているといい、提訴に踏み切った。町側は原状回復義務違反など民法上の違法行為に当たるとして、県と土地の売り主に処理費用など1億9500万円余りを請求している。

 県庁で同日、記者会見した山本賢一町長は「当時は廃棄物処理法が制定されていないという理由から責任を捨てようとするのは、県民、町民の一人として大変残念な思い。(県には)埋設行為に対する責任の在り方について再検討してもらいたい」と訴えた。

 提訴を受け、小原勝県医療局長は「訴状の内容を確認し互いの主張の相違点を整理しながら、県と町の双方が納得できる解決に向けて取り組みたい」とのコメントを出した。

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