鮮やか賢治世界 童話村の森ライトアップ【花巻】
花巻市高松の宮沢賢治童話村で「童話村の森ライトアップ2022」が開かれている。偏光フィルターやミラーボールを使用したオブジェが放つ光が、幻想的な賢治の作品世界をつくり出し、多くの来場者を楽しませている。
今年は、五つのエリアに100体を超えるオブジェが設置されている。芝生広場にはライトアップのシンボル的な存在となっている高さ4メートルの「どんぐりオブジェ」をはじめ、ミニどんぐりのオブジェがちりばめられ、夜の森に虹色の光や光の粒を放つ。市内児童が自由な発想でデザインしたアクリル板を四角すいのオブジェに仕上げた展示「星に願いを」もある。
野外ステージ付近では初の試みで、賢治作品の世界観をイメージして染めた成島和紙で仕立てた伝統工芸品「花巻傘」のライトアップ展示を期間限定で実施。12日夜はつかの間の雨あいを縫って県内外から家族連れやカップルが訪れ、両親と双子の妹と初めて訪れた一関市立山目小学校2年の小岩橙加さん(7)は「虹みたいできれい」と青の濃淡や赤から青へ色が変化する傘布を興味深げに眺めていた。
ライトアップは、市と民間8団体で組織する賢治フェスティバル実行委員会が主催。10月30日までの毎週土日・祝日に点灯する。宮沢賢治記念館で「雨ニモマケズ手帳」が公開される9月16~25日は毎日点灯する。
時間は日没から午後9時(入場は8時30分)まで。入場時には新型コロナウイルス感染対策に協力を求めるほか、混雑時は入場制限する場合がある。