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クマ被害 前年の2倍 餌不足、県警が注意喚起 今年上半期山岳遭難【岩手】

 県警は、2022年上半期の山岳遭難発生状況をまとめた。6月末現在、22件(前年同期比増減なし)発生している。遭難者は23人(同6人減)と減少しているものの、クマによる被害が倍増しているため、県警ではクマよけ対策として鈴やラジオの活用、複数人での入山行動などを呼び掛けている。

 遭難者の内訳は死者3人、行方不明1人、重傷8人、軽傷4人、無事救出7人。年代別では30代と40代各1人、50代と60代各5人、70代8人、80歳以上3人。このうち、65歳以上の高齢者は13人で半数以上を占めている。

 目的別では、山菜採りが14人で最多。次いで登山が7人など。死者3人の内訳は、山菜採り中の60代1人、70代1人と登山中の40代1人で、いずれも病気のため死亡した。

 原因別では、クマ襲撃が最も多く8人(同4人増)と倍増した。うち重傷7人、軽傷1人。被害に遭っているのは大半が50代以上で、頭部を襲われ、重傷を負うケースが目立っている。

 県警は、前年からクマの被害が倍増していることについて、餌となるブナなどのドングリが凶作で不足しているため、クマが餌を求めて行動範囲を広げているとみている。

 山岳遭難防止策として、県警では▽スマートフォンの携帯と登山用地図アプリの活用▽体力に応じた登山計画の作成▽気象や体調に応じた的確な状況判断▽登山予定の山の気候に合った服装や登山靴万全の準備―などに心掛けるよう求めている。

 県警地域課では、クマが出没する可能性もあることから「クマと遭遇しないため、ラジオやクマよけの鈴など音の出る物を活用してほしい。複数人で入山し、声を掛け合うなど常に互いの位置を確認しながら行動してほしい」と注意を促している。

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