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安全運行へ万全 SL銀河の整備作業【岩手】

車両先頭部のシリンダーにピストンをはめ込む検修員

 6月で運行が終了する蒸気機関車「SL銀河」の一部整備作業は1月31日、盛岡市の盛岡車両センターSL検修庫で行われた。約10年にわたり、地域住民や鉄道ファンらに親しまれてきた車両の安全な運行に向け、検修員が万全を期した。

 SL銀河は旅客車両の老朽化や部品の調達が難しくなったことから、引退が決まっている。JR釜石線での定期運行は3月25日の下りに始まり、6月4日の上りまで。同10、11日に旅行商品専用の団体臨時列車としての運行が最終となる。

 31日は同センターの社員6人が、蒸気を走る力に変える部分に当たる「シリンダーピストン」の取り付け作業を実施。重さ約190キロのピストンをクレーンで持ち上げた後、車両先頭部のシリンダーにピストンを傷つけないよう慎重にはめ込んだ。

 作業の指揮を執った同センターの藤村信彦さん(44)は「汽笛が鳴ると子供からお年寄りまでみんなが見てくれたSL銀河なので、ちょっとでも傷や調子が悪いところを見つけて直し、最後まで元気に走らせたい」と語っていた。

 JR盛岡支社によると、SL銀河は2014年4月に運行がスタートして以来、主に春から初冬にかけて土日を中心に釜石線花巻―釜石間を走行してきた。これまで約480本を運行し、利用者は約7万人に上るという。

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