食支える決意抱き 農業大学校、50人卒業【金ケ崎】
県立農業大学校(小原繁校長、学生99人)の2022年度卒業式は8日、金ケ崎町六原の同校で行われた。卒業生は、高度な農業の技術と知識を学んだ2学科6経営科の50人。式典で2年間の学びを締めくくり、多くがそれぞれの進路へ踏み出した。
式典は新型コロナウイルス対策で例年より規模を縮小。卒業生や在校生、教職員、来賓、卒業生の家族らを含め、約200人が出席した。一人ひとりに卒業証書を手渡した小原校長は「コロナ禍だが、本年度はほぼ通常の日々を取り戻せた。机上のほか、本校の特色の実践・先進教育に取り組んだ皆さんは、国際情勢などを含め農業の先行きが見通せない中、4月から夢への本当の一歩を歩む。磨いた知性と感性で己の道を力強く切り開いてほしい」と式辞。成績優秀者や農業関連の各種研究、技術大会などで好成績を納めた卒業生への表彰も合わせて行われた。
学生自治会長の小野寺千華さん(1年)=一関市真柴出身=は「実習や当番で動物や作物と向き合う先輩方の姿から、責任感や農業の難しさ、楽しさを教わった。学びを生かし、向上心を持って素晴らしい未来を切り開いて」と送辞。卒業生を代表し、農産経営科の懸田拓馬さん=奥州市江刺玉里出身=が「コロナが猛威を振るう中、対面の学びの場を提供してくれた先生、先輩方への感謝の念に堪えない。日本の食を支える立場として、卒業生の役目は大きい」と答辞を述べた。
同校によると、卒業生は県南地方をはじめとする県内や東北地方、神奈川、新潟県の出身。進路は自家就農や農業関連企業・団体への就職、大学への編入などとなっている。