水沢病院 複合型施設に 奥州市、懇話会で示す 地域医療モデル オプション案
第3回奥州市医療懇話会は13日、同市水沢の市役所本庁で開かれ、市当局から地域医療奥州市モデルのオプション案が提示された。総合水沢病院を建て替える新病院について、医療拠点のみならず、周産期・子育て支援拠点、ヘルスケア拠点の機能を備えた複合型施設として提案。医師確保や経営、病床数などの懸念に応えて病床数などに幅を持たせた。出席した委員からは、五つの市立医療施設の維持、人口減少の中での医療施設経営、医師確保への危惧が根強く示された。
同市は、医療のグランドデザインとして、五つの市立医療施設、県立病院、民間医療施設の機能分化、連携強化を進める同モデルを1月に示した。同モデルには、新病院の機能や建設候補地、各医療施設ごとの経営強化、医師確保など課題への対応を盛り込んだ。
その後、同懇話会、市議会全員協議会、市政懇談会などで同モデルに対する意見や要望を聴取。市民からは周産期・子育て支援の強化や介護予防を含めたヘルスケアに対する取り組みの充実が要望された。
中でも懇話会では、医療スタッフ確保、人口減少社会に対応した医療体制、医療施設経営、在宅医療の提供の在り方、機能分化などに懸念や疑問が寄せられていた。
オプション案では新病院について、医療機能や周産期・子育て支援機能に、健診拠点、健康相談やフレイル対策、健康教室などを展開するヘルスケアセンター機能、市健康こども部と水沢保健センターの移設といった行政機能を加えた「複合型施設」として提案。
医療機能のうち病床数は「104床」から「100床~80床」、救急については「同等の水準」から「可能な限り胆沢病院に集約」と変更。地域包括ケアでは「訪問看護事業の強化、リハビリテーション機能の充実」から「訪問看護ステーションの統合も含めた訪問看護事業の強化、リハビリテーション機能の強化(365日対応)」、小児医療は「現状維持」から「外来については、休日も対応」と見直した。
同日の懇話会では、委員から「一般会計から繰り入れるのが健全な病院経営か」「市立病院を一つにし、サテライトとして各地域の施設を機能させるべき」「医師に訪問してもらいたいと願う市民はかなりあり、訪問に特化した医療拠点を目指すべき」といった意見が出された。
市当局は懇話会での意見を検討し、4月下旬以降に次回の懇話会を開くとしている。