奥州・金ケ崎

新棟に生産、物流集約 来春着工、25年操業 江刺パークⅡ立地調印 東京エレクトロン【奥州】

江刺フロンティアパークⅡへの立地協定を締結した倉成市長(右)と佐々木社長

 半導体製造装置の世界的メーカー東京エレクトロンテクノロジーソリューションズ(本社山梨県韮崎市、佐々木貞夫代表取締役社長)は、奥州市江刺で造成工事が進められている工業団地「江刺フロンティアパークⅡ」に新棟「東北生産・物流センター(仮称)」を建設する。20日、同市水沢の市役所本庁で立地協定調印式が行われ、倉成淳市長と佐々木社長が協定書を取り交わした。新棟により、市場の拡大と多様化する技術ニーズを見据えて生産機能と物流機能を集約化。2024年春に着工し、25年秋に操業開始する考え。

 同社は1984年、旧江刺市(現奥州市江刺)の江刺中核工業団地に立地。東北事業所として製造拠点化し、順次拡張を進めており、20年には6号棟が竣工(しゅんこう)。同社によると、国内外の需要に対応しているが、6号棟を含めてフル稼働の状態にあるという。

 半導体製造装置市場は今後も成長が見込まれることから、生産機能と物流機能の集約化を図る新棟を計画。計画では、江刺フロンティアパークⅡ内の4区画(面積11万2337平方メートル)の敷地に、鉄骨造り2階建て延べ床面積5万7000平方メートルの建屋を総工費220億円で建設。物流のハブとする考えで1階が倉庫、2階は生産エリアとなる。生産エリアでは熱処理成膜装置・枚葉成膜装置の製造を行う考え。

 同日の調印式には、佐々木社長ら同社関係者と倉成市長ら市関係者、菊池哲副知事ら県関係者が出席。倉成市長と佐々木社長が立地協定2通に調印し、取り交わした。市から記念品として南部鉄器の鉄瓶(及喜鋳造所製造)が贈られた。

 調印後、倉成市長は「半導体製造装置トップクラスの企業があることは市民の誇り。地元従業員のパフォーマンスについても佐々木社長には評価してもらっている。市としても半導体産業振興に貢献していきたい」とあいさつ。

 佐々木社長は「デジタルトランスフォーメーションが加速して、最新技術の普及がより一層進んでおり、半導体分野は成長局面に入っている。新棟により、お客さんにタイムリーに生産したものが提供できる体制を整えたい」と意欲を語った。

 同社によると、新棟により生産能力は1・5倍になる見込み。25年秋の操業時に正社員と協力会社により約900人を雇用予定。このうち新規は450人程度という。

地域の記事をもっと読む

奥州・金ケ崎
2025年4月20日付
奥州・金ケ崎
2025年4月20日付
奥州・金ケ崎
2025年4月20日付
奥州・金ケ崎
2025年4月20日付