「目標は全国優勝」　沼田さん（一関学院高前監督）就任　花巻東高女子硬式野球部監督

　花巻東高校女子硬式野球部の監督に、一関学院高野球部前監督の沼田尚志さん（６３）が就任した。沼田さんは一関学院高を春夏合わせて計６度甲子園へ導いた名将。これまでチームを率いた三鬼賢常さん（６１）は総監督となる。１８日に花巻市松園町の花巻東高で就任会見が開かれ、沼田さんは「目標は全国優勝しかない」と言い切り、三鬼さんとタッグを組み悲願の日本一を目指す決意を語った。

　沼田さんは国士舘大卒業後、１９８５年から一関学院のコーチとなり、８６年監督に就任。夏の甲子園では３勝を挙げたほか、元ヤクルトの太田裕哉投手らを輩出した。２０１９年に監督を勇退後も１年生選手の指導に当たっていた。

　花巻東女子硬式野球部は創部４年目。創部から三鬼さんが監督を務め、昨年の全国高校女子硬式野球ユース大会、今春の第２４回全国高校女子硬式野球選抜大会で準優勝を飾るなど全国屈指の強豪に育ててきた。

　１３人からスタートした同部も現在部員６７人が所属する大所帯となったことから、さらなる指導体制の充実を図り、全国制覇を目指そうと沼田さんに白羽の矢が立てられた。今後は三鬼さんも練習をサポートしていく方針だ。

　沼田さんは、昨年に同校からオファーを受けた際には「最初は冗談だと思っていた」と言う。高校野球引退後は小中学生らの指導を夢見ていたが、「岩手の野球全体が盛り上がればと思い承諾した。一関学院ＯＢの中には驚く人もいたが、最後は背中を押してくれた」と今年に入って決断した。

　２週間ほど前から練習に参加しており、女子部員たちに触れ「野球が上手くなりたいという気持ちが伝わり、みんな向上心が高い。一人ひとり意識を高く持って練習に取り組んでいる」とその姿勢に感嘆する。

　守備力を強化して無駄な失点に抑え、最少得点でも勝てる野球を目指す。会見で沼田さんは「高校野球での経験を生かして女子硬式野球部の発展に貢献し、三鬼総監督と協力して全国優勝を目指す」と意気込みを示した。

　三鬼さんは「２週間一緒に練習に参加しているが、素晴らしい指導をしている。私もすごく勉強になっている。これから少しでもバックアップできたら」と語った。