おいしい地酒楽しみに 有志が田植え 「河東誉」原材料 東和【花巻】
花巻市東和町土沢の猿舘酒店による田植えは21日、同町内の水田で行われた。地元の有志11人が参加し、「ひとめぼれ」の苗を定植。コメは同店のオリジナルブランド日本酒「河東誉(かとうのほまれ)」の原材料として使用されるもので、参加者は酒造りの苦労を肌で感じながら出来秋に期待を寄せた。
河東誉は戦中まで同店で製造、販売されていた日本酒で、同店の猿舘祐子店主が中心となって2022年に復活プロジェクトを開始。減薬農法でひとめぼれ300キロを生産し、加工には親交のあった酒蔵わしの尾(八幡平市)が協力した。今年、限定100本で先行販売された生酒は完売するなど反響を呼んだ。
同日の田植えは、プロジェクトに賛同する同町の薄衣忠孝さんが所有する水田で行われた。参加者は粘土質の強い田んぼに足を取られながらも、区画の一部に苗を手植えした。
稲刈りも有志を募って行う予定。今年は製造量を増やす考えで、薄衣さんは「今年は300キロ以上のコメを収穫する。自分が植えた苗を、これからも見に来てほしい」と参加者に呼び掛けた。
同店では河東誉の純米酒を販売中。猿舘店主は「昨年よりも参加者が増え、地域への広がりを感じる。さらにお米を感じられるようなお酒に仕上げたい」と気合を入れていた。