花巻
趣向凝らし聴衆魅了 映像・朗読、絵画とコラボ 筝曄会【花巻】
花巻市星が丘の琴教室「筝曄（そうよう）会」（佐藤雅智恵代表、会員１０人）は２８日、第１９回演奏会を同市のなはんプラザで開いた。画家長友心平さんが制作する「天国のクジラ」の展示、映像と朗読などとのコラボレーションといった趣向を凝らした演出で、会場に詰め掛けた聴衆を魅了した。
３部構成で会員によるステージで開幕。「川の流れのように」「ふるさと」「エリーゼのために」などの演奏に続き、長友さんのトークショー、映像と朗読、演奏がコラボレーションした「花さき山」などが上演された。
「天国のクジラ」は、天国に旅立った大切な家族が大きなクジラに乗って世界を旅している絵。２０２２年９月に盛岡市の旧石井県令邸で開かれた展示会で佐藤代表が長友さんと出会ったのが縁で、多くの人に作品を鑑賞してほしいと企画した。
絵は１３年の母との別れをきっかけに描き始めた。クジラには多くの人から寄せられた生前の写真やエピソードをもとに描かれた家族が“乗船”。現在１５作品を数え、会場には釜石市で描かれたものを含む３点が展示された。
同日は市内外から３００人を超える聴衆が訪れた。花巻市湯本の女性（８２）は「一生懸命練習に励んでの発表だと思う。毎年訪れているが、今年も新しい趣向で楽しませてもらった」と話していた。
演奏会は４年ぶりの通常開催。昨年までは新型コロナウイルスの影響で入場者数を制限して開き、佐藤代表は「コロナ禍でも一日も欠かさず稽古を続け、このようにたくさんの人に集まってもらえてうれしい。来年は２０回の節目。これを励みに技術を磨いていきたい」と意欲を新たにしていた。
