重要74遺跡を掲載 「考古」5年かけ発刊 新編市史資料編【北上】
北上市は、「新編北上市史 資料編『考古』」を発刊した。市内で発掘された旧石器時代から近代までの重要とされる延べ74遺跡を、時代ごとに解説付きで掲載。市内の各時代の遺跡、先人たちの暮らしぶりを知る上で貴重な一冊に仕上がった。
A4判、箱入りの全400ページ。2017年度に市史編さん専門委員会考古部会を立ち上げ、5年がかりで仕上げた。
旧石器時代の遺跡として県内初の本格的な発掘が行われた和賀仙人遺跡(和賀町仙人)をはじめ、縄文時代の樺山遺跡(稲瀬町)、八天遺跡(更木)、古代の江釣子古墳群(北鬼柳、上江釣子、和賀町長沼)、国見山廃寺跡(稲瀬町)といった国指定史跡の発掘調査概要、まとめ、出土した遺物や調査時の写真、実測図などを掲載している。同様に県、市の指定史跡、主要な発掘調査の成果を調査の担当者を中心に執筆した。
一冊6000円で、付録品として本文データを収録したDVD1枚。500部作製し、市役所企画部総務課、市史編さん室、中央図書館、生涯学習センター、市立博物館で販売する。電話、市公式ホームページなどで市内外問わず郵送販売にも対応している。
市史編さん室は「市内の全遺跡ではないが、特徴的で主要な遺跡は時代ごとに網羅している。北上市の各時代を知りたい方々にはぜひ、手に取ってもらえれば」と勧めている。
新編北上市史は20年度から順次発刊され、今回の「考古」で3冊目。26年度までにさらに7冊の発刊を予定している。
問い合わせは同室=0197(72)8309=まで。