花巻

乳がんでも安心の旅を ピンクリボンのお宿 花巻でシンポジウム

乳がん経験者が安心して旅行できる環境について考えたピンクリボンのお宿シンポジウム

 ピンクリボンのお宿ネットワーク(会長・畠ひで子・匠のこころ吉川屋女将)は30日、花巻市新鉛の新鉛温泉結びの宿愛隣館で第9回「ピンクリボンのお宿シンポジウムin花巻」を開いた。会員らが講演や活動報告などを通じて乳がん患者や経験者が安心して温泉旅行できる環境づくりを考えた。

 同ネットワークの旅館、企業・団体会員をはじめ、花巻市の旅館、観光協会、行政、患者会などから約60人が参加した。一般社団法人CSRプロジェクト代表理事で乳がん経験者の桜井なおみさんが動画で基調講演したほか、新鉛温泉の清水隆太郎代表取締役社長が温泉旅館におけるピンクリボン活動について報告。化粧品メーカー大手ポーラの佐藤幸子コーポレート室長ががん治療に伴う外見の変化による苦痛を和らげるアピアランスケアについて講演した。

 「人生100年時代の『女性』と『がん』」と題して基調講演した桜井さんは長寿化によって女性のホルモン環境は大きく変化し、患者は若い人もだが高齢者にも増えていることから年齢に応じた対策の必要性を指摘。「がん治療は急速に進化する一方で治療費の負担が問題になっている。治療が長期化しているので雇用主、宿の女将として従業員、その家族のサポートをしていかないといけない」と述べた。

 愛隣館のピンクリボン活動について清水社長は、大浴場での入浴着着用、禁煙タイプの部屋の用意、食事への配慮などできることから対応し、安心して宿を選んでもらえるよう取り組みをホームページで公開、入浴着への理解促進のためポスターを作製したことなどを紹介。2015年6月からは乳がん患者のための専用プランをつくり、「決して利用が多くないプランだが、プランをきっかけにゆっくり温泉を満喫してもらえたらありがたい」と語った。

 同ネットワークは12年7月10日に発足し、宿泊施設98軒、旅館組合等6軒、企業16社の計120会員が加入。畠会長は「乳がんはいまや9人に一人と言われ、誰がいつなってもおかしくない状況。まだまだ気にして旅行する人が多い。気兼ねなく自由に好きなようにお泊まりいただいて、それぞれの温泉旅行を楽しんでもらえるようになるといい」と話していた。

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