北上・西和賀

春まきタマネギ品質評価 全日本野菜品種審査会【北上】

形状や品質、良品の割合などをチェックした春まきタマネギの審査会

 タマネギの春まき早生品種を対象とした第74回全日本野菜品種審査会(日本種苗協会主催)は25日、北上市成田の県農業研究センターで開かれた。春まきタマネギの審査会はこれまで主要産地である北海道だけで開催されていたが、昨年度に本州で初めて同センターで行われ、今回も実地栽培による比較審査で優良品種を選んだ。

 同審査会は、野菜産地の発展や種苗会社の育種力・播種(はしゅ)技術の向上を狙いとしており、2018年には同センター県北農業研究所を会場に、ホウレンソウの審査会が開かれた。

 タマネギは主な生産地である佐賀県や兵庫県が6月ごろ、全国の生産量の50%以上を占める北海道が8月下旬に出荷が始まることから、県は7~8月に収穫できる春まき早生の導入促進を進めている。

 今回の審査会には全国の種苗メーカー6社から11点が出品され、2月から同センターで播種、定植、施肥などの栽培管理が行われ、おおむね8月1日に収穫された。収穫物審査はハウスに各品種がサイズ別に並べられ、12人の審査員が形状や品質、良品の割合などをチェックして採点。1等特別賞など入賞品種を決めた。

 タキイ種苗茨城研究農場の雨村拓央農場長は「タマネギは世界的にも重要な作物であり、審査会は各種苗メーカーにとっても刺激になる。実地栽培を担う機関が少ないので同センターの取り組みはありがたい」と話していた。同センター野菜研究室の山田修室長は「2月に育苗し、8月には収穫できる春まきタマネギは本県でも栽培可能で、さまざまな品種の栽培や比較審査を通して本県での生産拡大につなげたい」と語っていた。

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