3Dプリンターで構造物 工期短縮など期待 岩手河川国道4号拡幅・北上
国土交通省岩手河川国道事務所が北上市相去町平林地内で進めている国道4号拡幅事業で、建設用3Dプリンターを活用したコンクリート構造物が製作されている。同事務所管理の道路事業初で、県内の公共工事でも先駆的な取り組み。現場での土木技術者不足の解消、省人化、工期短縮など生産性向上が期待される。
現地の施工を受注する小原建設(同市、小原学社長)が、工事で新設する中央分離帯端部のコンクリート部材製作の省力化へ、建設用3Dプリンター造形で全国各地で実績のあるベンチャー企業Polyuse(東京都、岩本卓也代表取締役)に製作を依頼。同事務所もDX(デジタルトランスフォーメーション)の一環で推進している。
中央分離帯の端部は半円形で曲線に合わせた型枠が必要で、熟練した職人による手の掛かる施工が求められ、養生などにも日数を要する。3Dプリンター活用により多様な形状に対応でき、型枠も不要となり工期も大幅に短縮できる。
建設業界では熟練技術者が高齢化し、人手不足が大きな課題。小原建設土木第3係の齊籐篤係長は「3Dプリンターを活用すれば、現場に合わせた物を造ることができる。複雑な作業に対応できる熟練した職人が少なくなる中、課題解消の一つになる」と効果を語る。
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