奥州・金ケ崎

戦争と平和考える機会に 軍服や写真資料300点 旧日本陸海軍博物館企画展【奥州】

海軍の軍服などを展示し、戦争と平和を考える機会を提供している企画展

 奥州市江刺の平和ミュージアム旧日本陸海軍博物館(八重樫正博館長)が主催する企画展「先の大戦から八十二年目の季節 特集・指揮官と兵士の装い」は、同市水沢字横町の市まちなか交流館で開かれている。同博物館が収蔵する軍服を中心に出張展示。太平洋戦争が82年前に開戦した12月8日に合わせ、戦争と平和、歴史について考える機会を提供している。10日まで。

 同博物館は、戦争を考える資料がなくなることを危惧し、資料の収集保存を目的に活動している。今回は約300点を展示している。

 当時の将兵の生活や日常を身近に感じてもらうため、軍服を階級別に展示。所属、階級、勲章などが一目で分かる特徴的なデザインで、オーダーメードで作られた物も。太平洋戦争に従軍した海軍兵士の写真なども並べた。

 軍服以外では、身の回りの品を入れた奉公袋、ヘルメット、ゲートル、戦場で食べるために携帯した食料、当時の雑誌、軍事郵便なども展示している。

 同博物館では戦争の悲惨さを強調するためボロボロの衣服を展示する例もあるが、今回あえて保存状態の良い軍服を展示することで当時の人が軍隊を目指し、軍に入れば人並みの衣食住が保証されるという時代背景を示したかったという。

 展示されている軍服などは実際に触れることができる。八重樫館長(76)は「戦争体験者が少なくなり、言葉だけでは戦争の悲惨さ、平和の尊さが伝わりにくくなっている。軍服などの実物を見てもらい、戦争と平和について考える機会にしてほしい」と話している。

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