いわて瞬感 新年控え汚れ落とす 丈六仏すす払い 平泉・中尊寺
2023年も残すところあと2週間。年の瀬を迎えた平泉町の中尊寺(奥山元照貫首)境内にある宝物館「讃衡蔵(さんこうぞう)」では17日、仏像の表面にたまった1年間のほこりや汚れを落とす、すす払いが行われた。
世界遺産「平泉の文化遺産」の構成資産となっている同寺には、国宝に指定された金色堂をはじめとする貴重な仏像や工芸品などが伝えられ、その多くは讃衡蔵に納められている。
このうち同館正面に安置された丈六仏は阿弥陀如来1体と薬師如来2体の坐像3体で、いずれも高さ2.7メートル前後ある国の重要文化財。すす払いでは、2人の僧侶が作務衣(さむえ)姿に口当てを着け、長さ2メートルの柄の先に和紙を束ねたはたきを使って仏像の表面に残る金箔(きんぱく)などを傷めないよう慎重にほこりを取り払った。初めて作業に臨んだ菅野靖純さん(28)は「今年1年、仏様のおかげと感謝して作業を行った。来年は皆さまが健康で楽しく過ごせる年になってほしい」と語った。
同寺では、30日に境内の諸堂に餅などを供えて新年を迎える準備が整う。正月三が日の参拝者数は前年(8万5000人)を1万5000人上回る約10万人を見込んでいる。